お母さんの感想文2019年6月

まつえ助産院

 今月は、妊娠中や分娩後のアドバイスの必要性を痛感したケースです。毎回感じることですが、妊娠中は無事にお産を済ませることに関心があり、その後のことはあまり考えずに、何とかなるだろう、赤ちゃんがうまく吸ってくれるだろうと思うだけで、準備不足の状況にあります。
このケースも何とか母乳育児を実現したい希望がありながら赤ちゃんに拒否されたり、ミルクを与えることに仕方ないと思っていた日々を過ごしていました。
妊娠中でも育児の準備が必要であることを教えてくれています。

 

 

 

 

 

 妊娠前は、漠然と母乳で育てられたらいいな~と、思っていました。母乳育児についてはいいことがたくさんあると理解していたし、自分も母乳育児をして、円満な育児生活を送っていきたいな、と思っていました。自分は母乳がきちんと出るかという不安はありましたが、何とかなるだろうと思っていました。産院では、妊娠中の乳房ケアについて説明はあったものの、積極的には行っておらず、自分も36週を過ぎたころに少し、入浴中にマッサージするくらいで終わっていました。

出産後、直母のあとにミルクを足す授乳方法を指導され、初産でもあったので、必死に授乳していました。もともと片方の乳首は陥没ぎみであったため、なかなか赤ちゃんもうまく吸えず、乳首に傷がついてしまい、痛みに耐えながら授乳を行っていました。乳頭保護器を使用したりして、直母も頑張って行っていました。退院指導では、今まで通り、直母の後にミルクを追加していいと指導がありました。初めてのことで、よくわからなかったし、自宅での授乳に不安はありましたが、産院の指導通り、退院してからも直母+ミルクで授乳していました

1ヶ月健診のときに、体重の増えも十分なくらいあるので、産院の先生や助産師さんから母乳だけでもいけると思うから、日中だけでもできるときにミルク減らしていってみたらとアドバイスがありました。自分の母乳だけでいけるかもしれないと聞いたときは、嬉しくなり、よし、頑張ってみようと、次の日から日中母乳だけで授乳してみることにしました。何日かは母乳だけで満足して寝てくれたり、泣かずにいられることもありましたが、1ヶ月半くらいしたとき、急に直母を嫌がって泣くようになりました。乳首を近づけたり、授乳の体勢にするだけでも、体をのけぞらせて、ものすごい大声で泣くようになりました。自分の母乳が出ていないのかもしれないと思い、母乳にいいお茶を飲んでみたり、食べ物を食べてみたり、乳房を暖めてみたりと試行錯誤をしましたが、赤ちゃんは泣くばかりで、そのうち全く乳首を吸ってくれなくなりました。ミルクはごくごくと飲んでくれるのに、何で私の母乳は吸ってくれないのだろうとものすごく落ち込みました。授乳のたびに泣き叫ぶ赤ちゃんと一緒に大声で泣くこともありました。赤ちゃんはとっても可愛いし、大好きなのに、授乳の時間が来ると、ああ、また嫌がられるんだ、泣かれるんだ…と思い、乳首を近づけることも怖くなっていきました。自分が責められているような、嫌がられているようなそんな気持ちになり、自分の中で、授乳自態が嫌なものになっていきました。毎日、朝が来ると、気分が落ち込み、吐き気もしてきて、気持ちから身体症状にでるようにもなってきていました。いっそ、ミルクだけにした方が、赤ちゃんも、自分もいいのではないかと思っていました。

 そんな時、いつも通り、授乳時泣き叫ぶ我が子を見て、このままではいけない、どこか相談できるところはないのかとインターネットで検索し、出てきたのがこの助産院でした。
藁にも縋る気持ちで、電話し、先生が「そしたら、すぐ来て。」と言ってくれました。
助産院に初めて行った時、不安と今までの苦労を先生に話したら、「大丈夫!母乳飲んでくれるようになるよ!頑張ろう!」との言葉に、今までの張り詰めていた気持ちが溢れて、泣いてしまいました。我が子は吸綴に楽な哺乳瓶になれてしまっていたため、吸綴の大変な乳首を拒否していたのです。「赤ちゃんはね、頭いいから、楽なほうにいきたがるのよ。大人だってそうでしょう?」と先生の言葉になるほどなと納得しました。母乳マッサージで、「あなた、こんなにいいおっぱいしているし、母乳も出ているから、母乳だけでもいけるわよ」と先生に言ってもらい、自分は母乳が出ているんだと自信が自然と出てきたのを覚えています。しかし、案の定、乳首を近づけると、泣き叫び、全く乳首もくわえようとせず、1時間も格闘しましたが、結局初日は少しだけ最後にくわえるだけでした。先生から「お母さんが負けていたら、赤ちゃんは変わらないよ!お母さんが気持ちをしっかり持って頑張らないと!くわえてくれただけでも進歩だよ!」と励ましてもらい、家に帰ってからも我が子と二人で1時間格闘しました。すると、観念したのか、赤ちゃんが乳首をくわえて、少し飲んでくれるようになりました。
2日目からは、相変わらず授乳時泣くものの、少しずつ噛むこともしてくれ、16g飲むことができました。日にちが経つに連れ、わが子も少しずつ飲む量も増え、1週間くらいすると、授乳時泣がずに、おっぱいを飲んでくれるようになりました。ミルクも足さずに母乳だけでできるようになりました。自分のおっぱいを必死に飲む我が子を見ていると、どうしようもないくらい愛おしい気持ちになってまた、涙が出てきたのを覚えています。

 今では、完母で、我が子と授乳時スキンシップを楽しんでいます。あの時、何度も、ミルクにした方が楽になると思って悩んでいたけど、せっかくまだ母乳も出ているんだし、このまま母乳を減らしたくないと思い、助産院に電話し、先生に指導してもらい、母乳育児ができるようになって本当によかったと思っています。母乳管理のためには、日々の食事や生活にも気をつけなければいけないこともあり、大変だなと思うこと多いですが、我が子のためにいい母乳を飲ませたいと思うので、卒乳まで頑張って母乳育児を我が子と楽しんでいきたいと思っています。

私の一言

 

 

 文中にもあるように、今哺乳瓶が楽な乳首になっていて、くわえるだけで流れて飲みやすくなっています。赤ちゃんは一番最初に与えられた哺乳瓶の飲み方を忘れません。
母乳は、黙ってくわえていても出てきません。乳首を噛むように刺激を加えることで出てくるのです。このことは人間の最初に噛むことを知る機会なのです。それは食べ物を噛むことに繋がります。今の子ども達は、噛むことを苦手で、柔らかいものを好むと言われています。肉でも塊ではなく、ハンバーグを望むようです。それは乳児期の栄養が大きな影響を与えているようです。母乳を飲むことによって噛むことを覚え、顎が発達し将来的に永久歯が生えてきたときにきれいな歯並びになります。噛むことは生きていくための原点です。将来悩まないように、妊娠中から母乳育児を目標に掲げてほしいと思います。

このケースも悩みながら母乳育児を達成できました。本当に良く頑張ったと思います。

これからも充分赤ちゃんと楽しんでほしいですね。