お母さんの感想文2019年1月

まつえ助産院 今回は、無事出産を終えて、楽しい育児生活が始まるというときに、授乳がうまくいかず、悩んでおられる母親が多く見られます。生まれた後、赤ちゃんの体重の生理的減少があり、病院ではそれを取り戻し安心して退院させたいために、ミルクを補充することになります。その哺乳瓶に慣れてしまって、その後の授乳に困難に見舞われるケースが多いようです。今回はその経験談になります。参考になりますよ。
 

 

 

 
 妊娠中は、「赤ちゃんが産まれたら幸せな毎日が待っているんだろうな。」と思っていました。しかしその考えは出産の次の日から変わりました。
次の日から赤ちゃんへの授乳が始まったのですが、赤ちゃんが私の乳首をうまく吸うことができずギャン泣き。扁平乳頭のため、赤ちゃんが吸いにくい乳首でした。5分も経たないうちに、おっぱいを離してしまいます。おっぱいを吸わせた後は母乳が足りない分のミルクを与えましたが、哺乳瓶では泣くこともなく、ゴクゴク飲んでいました。
入院中は助産師さんや看護師さんに助けてもらいながら、直接授乳、その後にミルクの混合で授乳していましたが、結局あまり上手におっぱいを吸わせることができず、直接授乳の際にはいつも息子はギャン泣き、私も授乳の時間が嫌になってしまいました。

退院してからも、授乳は混合で行っていましたが、相変わらすおっぱいを嫌がり吸ってくれません。1日に何回も授乳しなければならないのに、その度にギャン泣きで、正直ノイローゼになるのではないかと思うほど、精神的に苦痛な時間になってしまいました。赤ちゃんも私もお互いがこんなに苦しい思いをしてまで、おっぱいを吸わせなければならないのか、いっそのこと完全にミルクに変えてしまおうかと考えるようになりました。しかし、私の母に、「母乳が出ているのにミルクにするのはもったいない。母乳が赤ちゃんにとっての一番の栄養なんだよ。みんなで協力するから、もう少し頑張ってみよう。」と言われ、苦しいながらも、息子の為にもう少し頑張ってみることにしました。しかしやはり授乳の際には泣きまくる息子。頑張りたい気持ちと諦めたい気持ちとの葛藤の中、出産した産院に授乳のことを電話で相談してみました。すると、このまつえ助産院で授乳の指導をしてくれるということを教えてもらいました。

さっそく先生の所に電話をし、訪ねました。最初に先生が私のおっぱいを見て、「これは妊娠中からケアしておけばよくなっていたのよ。」とおっしゃいました。勉強不足の私は、妊娠中からのケアで赤ちゃんが吸いやすい乳首になることを知らずに、妊娠中は特に何もしていませんでした。「でも絶対に吸えるようになるから。」先生のその言葉にとても安心させられました。しかし、哺乳瓶の乳首に慣れてしまった息子は簡単には私の乳首を受け入れて吸うことはできず、助産院に訪れた初日、2日目は最初から最後まで、他のどの赤ちゃんよりも大きな声で泣いていました。このままでは、今まで通り、息子は哺乳瓶を欲し、私のおっぱいを吸うことを拒否し続けてしまうと考え、この日から哺乳瓶で搾乳した母乳やミルクを与えることを止める決断をしました。

 3日目、先生にそのことを話すと、「よく決断したね。赤ちゃんはそれしかないと思うと吸うようになる。頑張ろう。」とおっしゃってくれました。やはりその日も拒否し泣きましたが、お腹が空いているため、今までよりはおっぱいを吸うことができるようになりました。4日目、ついに息子は泣かずにおっぱいを吸うことができるようになりました。さらに、飲む量も増え、先生に花丸をもらうことができました。それからというもの、おっぱいを飲む際、泣くことはなくなりました。今では4分ずつの計8分で70~80ml飲むことができるようになりました。
あの時、母乳を諦めミルクにしなくてよかった、あの時、先生の所に行ってよかった、あの時、思い切って哺乳瓶を止めてよかった、今はそう思っています。あんなに嫌だった授乳の時間が、今は息子と私の幸せな時間になっています。先生には本当に感謝しています。もしまた二人目を授かった時には、妊娠中からお世話になろうと思います。

私の一言

 

 
 以前から、妊娠中の手当て次第で、その後の授乳生活に影響が大きいと何かも書いてきました。妊娠中は赤ちゃんの無事のお産に気を取られ、お産が終われば乳首も自然に出てきて、赤ちゃんがきちんと吸ってくれるだろうと、思っている方が多く居られます。扁平乳頭の場合、赤ちゃんの舌の上に載らないので、赤ちゃんは吸えず、先だけ部分的に吸って、乳首が傷だらけになり、痛みであきらめる状況になり易いのです。
このケースの母親は、哺乳瓶に頼らず直接授乳だけで過ごすことを決断して、頑張りました。良く決断したと誉めてしまいましたが、ひたすら授乳を繰り返したようです。
今は母乳育児を楽しめるようになったことが、何よりうれしいことです。良く頑張りました。