お母さんの感想文2018年6月

まつえ助産院

今回は高齢出産・帝王切開と経験され、望んでいた母乳育児を産後1カ月で
実行できたケースです。
母親の心理面も含めて書いてくださった感想文で、現在妊娠中の方にも参考になりますよ。

 

 

 

 

 

私のおっぱい戦争
「自分のおっぱいを信じなさい」まつえ先生の何度もそういわれました。中々自分のおっぱいを信じられませんでした。
高齢出産でありながらも 妊娠中は軽かったつわりに始まり、特にトラブルもなく予定日まで来ました。妹の産前産後の世話まででき、充実感溢れるマタニティライフだったのです。
さあー、いつ出てきてもいいよー。待てど暮らせどベビーは出てくれる気配がありませんでした。
予定日より1週間過ぎて入院、薬を飲むと、その日の夜には陣痛がきました。
ゆっくりとではありましたが、じわじわとお産が進み、子宮口も10㎝まで開いたのに、ベビーが後ろを向いてくれません。2日間も陣痛に苦しんだ挙句、回旋異常、分娩停止という事で、帝王切開になってしまいました。
生まれた喜びもつかの間、ベットに寝たきりで、少しの時間しかベビーを抱けない、おっぱいもあげられないのはひどく哀しく「ごめんね、ちゃんと産んであげられなくて・・、おっぱいあげられなくて・・」マタニティブルーも手伝ってか随分落ち込みました。
その後授乳が始まりましたが、出ないおっぱいを必死で吸いつき、体重を量っても2g、4gと情けない数値が並び、「ごめんね」という思いが募りました。

そもそもおっぱいに関しては、最初から不安でした。それでなくても乳首があまり出ていないおっぱいだったのに、病院では一度も見てくれなかったし、マッサージの指導もほとんどありません。テキストに従ってやっていましたが、程度が分からず、お腹に影響あるかもと思えば怖いし、適当にしかできませんでした。
おっぱいは何時も足りなさそうでしたが、昼間はあまりミルクをあげず、泣いたらおっぱいを吸わせるようにと、アドバイスをしてくれた助産師さんもいました。やみくもにおっぱいを吸わせているうちに、乳首に水泡ができて吸わせるたびに痛くなってきます。それでも退院の頃には40g飲んだこともあり、ベビーに「一緒に頑張ろうね!」と言いながら自分の心をも奮い立たせておりました。
よく退院した2日後、以前から聞いたことがあるまつえ助産院に初めて電話をして、アドバイスを受けることにしました。マッサージを受けても飲めた量は30gくらいしかありません。「泣いたらとにかくおっぱい作戦!」で1日17回、搾乳もあります。授乳と搾乳で1日が終わるような気がしました。

乳首は吸われるたびに痛くて、一体こんな状態がいつまで続くのか、私の年齢が高いからダメなの? 帝王切開だったから?―その後も自分のおっぱいが信じられませんでした。
痛い思いをしておっぱいを吸わせても、足りなくていつも不機嫌そうな表情をしているベビーの顔は、「ミルクで良いからちょうだい、お腹すいたよう!」と訴えているように見えて切なく感じました。
「母乳で育てたい」という思いは私のエゴで、それに振り回されているベビーが可哀想じゃないか、こんな飢餓にさらされて性格が、ゆがむんじゃないか、そんな思いをまつえ先生にぶつけて泣いたこともあります。一体誰のための母乳だ、ベビーと格闘しているというより、おっぱいと闘っているような感じでした。
「それでもやっぱり、母乳で育てた方が良いんです。自分のおっぱいを信じなさい」というまつえ先生の信念は挫けそうになる私をいつも励ましてくれました。

そして1か月健診に出かけた生後32日目、初めて“ミルク0”にすることができました。そしてその頃より乳首の痛みも楽になり、嬉しいというよりも呆然とした、という方が当たっているかもしれません。
まつえ先生に「おめでとう! がんばったね」と拍手をされて、初めてジ~ンときたのでした。
母乳だけになって、1カ月が過ぎました。ベビーは左右のおっぱいを3分吸っただけで、「もう、いらない」と言うように乳首を押し返してくるようになりま やっとのことで、ベビーのお腹と私のおっぱいの需要と供給のバランスがとれてきた様です。今では授乳するのが楽しみで・・。いつかは卒乳するんだなーと寂しい気さえします。
後になって思えば、本当に辛かったのは、母乳になるまでのたった1カ月間だったのに、見通しが持てないというのは苦しいものです。見通しが持てるようになって、自分のおっぱいを信頼できるようになって、やっと楽になったのです。
ベビーも私も・・・。
仕事柄、相談される立場の私の今までの来し方を、じっくり考えさせられた、妊娠・出産・育児でした。
これからもベビーと一緒にゆっくりとですが、成長していきたいと思います。

私の一言

 

産後10日前後に来院された方ですが、乳頭の亀裂と母乳不足でアドバイスを求めて来院された方です。産後1カ月間の辛さや悩みを文章に残してくださいました。大変な思いをされたようですが。アドバイスをしっかり実行し、産後1か月で見通しが持てたことは良く頑張った結果です。
本当に良かったですね。これからの母乳育児を充分楽しんで下さいね。